ハクビシンの生態や特長(生息地・住処・活動時間)

ハクビシンの生態や特長

近年、市街地での目撃情報が急増しているハクビシン。

ハクビシンを自宅周辺で見かけた方の中には、

  • どこを住処にしているのか
  • どの時間帯に活動しているのか
  • 何をエサとして生活しているのか
  • どこで繁殖や子育てを行うのか

などの疑問を持たれている方もいるのではないでしょうか。

そこで、今回はハクビシンの生態や特長をはじめ、生息地や住処、活動時間、繁殖期や子育てについて詳しくお伝えしていきます。

この記事を読むことでハクビシンの生態や特長を理解し、近年急増している住宅の屋根裏被害や農作物被害の対策にも役立たせることができるでしょう。

ハクビシンの生態や特長

ハクビシンの被害が広がり、その存在がだんだんと認識されるようになったのはここ数年の話です。

ハクビシンから畑を守る為の対策方法や駆除方法を考えないといけないのは山に囲まれた田舎だけの話だと思われていましたが、東京などの都市部でも被害報告が急増しています。

個体数としては少なかったと考えられるものの、実は江戸時代から生息の記録が残っており、在来種とみなされたことから駆除すべき対象の害獣リストに入りませんでした。

ハクビシンは外来種?
本種が外来種か在来種であるかについては諸説があり、未だ断定されていない。
引用:環境省 | ハクビシンの基礎知識

しかし、東南アジアに近縁種が生息していることや、分布状況から外来種だと考えられる要因があり、現在でも在来種なのか外来種なのか確定していない動物なのです。

生態

東南アジアから日本に輸入されたのが始まり?

ハクビシンはジャコウネコ科の動物です。東南アジアにも同じ分類の仲間が生息していることから、その辺りから日本へ入ってきたことが考えられますが、元々は毛皮にするために輸入されたのが始まりだと言われています。毛皮にするのに人気だったタヌキの数が減り、その代わりとして使われたのがハクビシンでした。

しかし、タヌキの毛に比べて粗雑で扱いづらい特徴があり、毛皮用には使えなかったことが、今日の日本でハクビシンが多く分布し、被害をもたらしているきっかけとも考えられています。

エサを求めて畑や果樹園を荒らしているハクビシンですが、バナナやイチゴといった甘くて柔らかい果物を好んで食べる傾向があります。しかし雑食性の特徴を持っているため、果実以外にも昆虫やアメリカザリガニといった水棲動物、さらにはニワトリまでエサにすることができます。

農作物被害は人間に気付かれにくい

ハクビシンは好きなものをよく食べる特徴があるため、一口かじって気に入らなければ食べるのをやめてしまい、もっと好きな食べ物を見つけようと、次から次へと畑を荒らしていきます。しかし、荒らすといっても木をなぎ倒したり、果実を全て食べつくすということはせず、木に生っている状態で果実を少しかじるだけ、といった地味な被害をもたらします。

そのため、果実の先が下側からかじられている痕跡があった場合はハクビシンによる被害である場合が多いのですが、そもそも被害が小さいため荒らしたことにすら人間に気付かれにくいという特徴があります。

しかし、近年ではハクビシンの性質もよく認知されるようになり、他の動物による被害だと思われていたのが実はハクビシンだった、というようなことも知られてきました。

タヌキやアライグマと間違われることも多い

タヌキやアライグマといった動物と外見が似ていますが、被害のもたらし方はそれぞれ違っており、タヌキが下に落ちた果実のみを食べ、アライグマは木に生った状態で上からかじるのに対し、ハクビシンは生っている果実を下からかじりつくという特徴があり、その痕跡でも他の動物と見分けることができます。

また、被害が小さいことからカラスなどといった鳥による被害と間違われることもありますが、鳥の場合は果実を斜め上からかじる傾向があるため、その点でも区別できます。

水辺での生活も得意とするハクビシンは、糞尿を水の流れる側溝など一ヵ所に決めて溜める性質があります。水辺に動物の糞がまとまって見つかった場合は近くにハクビシンが生活しているという目安にもなります。

5つの特長

特長①:鼻から額にかけて一本の白い線

ハクビシンの外見で目立つ部分は、顔の中心の頭から鼻にかけて縦の白線模様が入っていることでしょう。漢字表記で「白鼻芯」と書く、この字の通りです。

全体的にこげ茶のような色をしており、その可愛らしい見た目からイタチやタヌキ、アライグマと間違われることもある動物ですが、それらの動物と比較するとシュッと細めの輪郭を持っています。体長は大きめの成獣で1mにもなります。体重は1.9~5㎏と個体によって差があります。

特長②:ネコよりも長いしっぽ

しっぽの長さは、ネコは25cm~30cm程、ハクビシンは35~49㎝程です。市街地の電線や家の屋根でネコよりも長い尻尾を垂らして歩いている姿を見かけたらハクビシンと判断できます。

特長③:足の指が5本

足の指は5本で丸い形をしており足裏はへこみがあるため、このへこんだ構造を利用し、上手に木登りをします。この特長は生活していく上で応用が利き、電柱に上って電線を器用に伝って移動することもあります。

特長④:甘くて軟らかい果物・野菜が大好物

果物や野菜といった農作物を好んで食べることから畑が多い山間部にしかいないと思われていましたが、高い場所が得意な上に小さな隙間でも入り込めるので、市街地や普通の住宅でもお気に入りの寝床を見つけて快適に生きていけるのです。

特長⑤:性格は大人しく、他の動物との争いはしない

性格的には地味で大人しく、他の動物と比較しても争いをしないという特長があります。発情期にはオス同士の争いがあるものの、基本的に普段は静かに過ごしています。ハクビシンは他の動物との争いも全く好まないので、例え住宅の屋根裏に棲み付いていたとしても、大人しく静かに生活するので住人に中々気づかれないということもあるでしょう。

ハクビシンの生息地域・行動域

ハクビシンは雑食で何でもエサにできることや、高い所や狭い所でも簡単に移動できる能力、暑い寒いに関係なく活動できる特徴があり、全国各地(沖縄を除く)どこでも生息しています。

生息地域

ハクビシンの生息地域
出典:環境省 自然環境局 | 日本動物分布図集

ハクビシンの被害は東北から九州に至るまで各地で報告されています。元々は南方からやってきた動物のため寒い地域には生息しないと思われていましたが、被害報告は東北地方が多く、気温に関係なく、いろんな場所で生息していることが分かります。

ナワバリを持たず、気温にも左右されず、とにかくエサがある場所を求めて活動するのがハクビシンです。各地で被害報告がある近年とは違い、1950年ごろは中部地方、宮城県、愛媛県にのみ生息が確認されていました。それが徐々に範囲を広げ、2008年には大分県を除いた全ての都道府県で確認されています。それでも10年以上前のデータになるため、現在ではハクビシンの数自体が増え、生息範囲もかなり広がっています。

分布状況のデータや目撃情報よりも、実際はとてつもない数のハクビシンが日本中に生息しているということが想像できます。

このようにハクビシンの分布状況が増えたのには、ハクビシンによる被害状況や荒らし方の特徴がはっきりと分かってきたから、ということも考えられるでしょう。昔はハクビシンによる被害がカラスなどの鳥によるものだと間違われていたこともあり、あまり問題視されていませんでしたが、実際はもっと前から全国各地で生息していたことも容易に考えられるのです。

行動域

夏季は行動域が広く、冬季は行動域が狭くなる

ハクビシンの行動域はオスで50~100ヘクタール、メスで30~70ヘクタールと広く、その領域内にいくつものねぐらを抱えています。エサが豊富な時期(主に夏季)になるとエサの近くをねぐらとするため、それだけ行動域も広くなります。反対にエサが少ない冬季は行動域が狭くなります。

ハクビシンは雑食のため、生ゴミや昆虫までも食べてしまいます。基本的にエサがあればどこでも生活できるため、日本であればどこでも生きていけます。

これまでハクビシンの被害は田舎だけの話だと思われていましたが、実際はゴミが多く出る都会や市街地でも十分に生きていけるのです。

移動ルートは電線・河川敷・用水路も使用

市街地といえば電線が張り巡らされている箇所が多いですが、ハクビシンは電線も器用に渡って移動することができます。そしてエサや移動ルートの問題もなく、普通に暮らしています。

また、側溝などの水辺でも移動できるため、お気に入りのエサを求めてどこまでも移動できる身体能力が備わっています。主な移動場所が河川や用水路といった水のある場所になっています。ハクビシンが水のある場所へ向かうのは、ただ水を飲むだけでなく、移動ルートとして使えるからなのです。

さらに、大きめの成獣でも頭が小さく、6㎝程度の隙間であればくぐり抜けることができるため、どんなタイプの住宅や建物でも穴を見つけて侵入することが可能です。

何でもエサにできる・どんな場所でも素早く移動できる・どこでもくぐりぬけられる、この3つの要因が重なっていることは、いろんな場所で生きていける証にもなり、害獣と呼ばれる生き物の中でも生命力が高く、行動域もかなり広い分類に入るでしょう。

ハクビシンの住処

ハクビシンはナワバリを持たず、生活環境がそろっていれば、例え近くにタヌキなど他の動物がいても気にせずに住処とすることができます。同じ建物内でもハクビシンは屋根裏、タヌキは床下、といった様に上手く棲み分けして生活してきました。

これまでは、一つの場所にたくさんのハクビシンが生息し、エサやねぐら、繁殖場所の確保が難しくなってきたときになって、やっと他の場所に移動する、というスタイルでゆっくりと少しずつ生息エリアを広げてきました。

しかし、ハクビシンと似たくくりで害獣扱いされるアライグマが現れた場合、ハクビシンは住処を変えなくてはなりません。アライグマは空間を独り占めする性質を持っているため、気に入った空間に他の動物が生息していると、その動物を追い出して自分の住処にしてしまうといった特徴があります。

アライグマによって住処を追い出されたハクビシンは、泣く泣く新たな住処を探すためにさまよいます。その結果、市街地の住宅や神社など条件に合った住処を見つけて穏やかに生活する、という繰り返しが行われているのです。

ハクビシンの活動時間

ハクビシンは夜行性なので夜になると活動をはじめます。日没から明け方まで活動し、エサを求めて動き出します。

人間が屋内にいる時間帯がハクビシンの活動時間であるということは、存在が見つかる確率も低くしている要因と考えられます。

活動時間は日没から明け方

日没後1時間程してから動き出し、明け方まで活動しています。しかし、日没が遅い夏季には明るいうちから動きだすこともあります。明け方でも人間の目でしっかりと確認できる明るさになるまで活動していることもあり、必ずしも暗いときに限って動くというわけでもありません。

休息時間は23時~深夜2時頃

ハクビシンは夜行性であるため日中は休息しています。そして、日が沈むと今度は日が空けるまで動きっぱなしだと思ってしまいますが、昼休みをとる人間と同じようにハクビシンもちゃんと休息をとります。休息時間は、およそ23時~深夜2時頃までで、この間はほとんど動かず、安全な場所で休息しています。そのため、1日で活動している時間はおよそ6~8時間程度です。

ハクビシンの繁殖期・子育て・寿命

ハクビシンには決まった繁殖期も特になく、いつでも出産できる特徴を持っています。

繁殖期は1年中、妊娠期間は2ヶ月程

ハクビシンにはっきりとした繁殖期はありません。夏でも冬でも関係なく出産します。1年中繁殖可能であり、妊娠期間は2ヶ月程の短さなので、1年を通して妊娠出産を繰り返し、ハクビシンの数もどんどん増えていきます。

幼獣が成獣になり、それぞれが出産することでさらに数が増えていく…この繰り返しが行われてきたことを考えると、ハクビシンの繁殖能力はすごいスピードであることが分かります。そのため、ハクビシンが屋根裏に棲み付いている場合、できるだけ早急に駆除対策を行わないと、気付いたときには取り返しのつかないくらいの被害に遭ってしまうこともあるのです。

出産・子育ては民家の天井裏

ハクビシンは民家の天井裏をねぐらとすることが多く、出産も天井裏で行うことが多いです。そして、そのまま子育ても天井裏で行います。生まれたばかりのハクビシンの子どもは活動せずに寝床で過ごします。また動物にしては珍しく、子育てや子離れのはっきりした期間もありません。

生まれてから活動するまでに3ヶ月半~5ヶ月程、寿命は20年程

ハクビシンは成長が緩やかです。生まれてから活動するまでに3ヶ月半~5ヶ月程かかり、性成熟は14ヶ月程になります。この数値は飼育されているハクビシンのデータですが、市街地であっても環境が整っていれば同じようなデータになるでしょう。飼育されているハクビシンでは寿命が20年程と、とても長生きする動物であることが分かっています。

まとめ

以上、ハクビシンの生態や特長をはじめ、生息地や住処、活動時間、繁殖期や子育てについてご紹介しました。

今回の記事をまとめると以下の通りです。

  • 現在でも在来種なのか外来種なのか確定していない
  • 東南アジアから日本に輸入されたことが有力説
  • 鼻から額にかけて一本の白い線が特徴的
  • 全国各地(沖縄を除く)どこでも生息している
  • 住処は住宅や神社などの屋根裏
  • 活動時間は日没から明け方
  • 繁殖期は1年中、妊娠期間は2ヶ月程

もしハクビシンを自宅周辺で見かけた際は、自宅もしくは近隣の住宅の屋根裏に棲み付いている可能性が高いです。

ハクビシンは特定外来生物に指定されていないため、許可なく勝手に捕獲したり駆除することは禁止されています。ハクビシンの被害対策をしたい場合は、自治体へ報告して許可を受けるか、害獣駆除業者に依頼をして早めの被害対策を行いましょう。


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