近年ハクビシンが都市部の住宅地にも出没するようになり、家屋の屋根裏被害や畑の農作物被害に悩まされている方も少なくありません。
さらにノミ・ダニによる健康被害、家畜を襲撃する被害、同居するペットへの被害、疥癬や細菌感染など様々なハクビシン被害を受けて途方にくれる方がたくさんいます。
そこで、今回はハクビシンの被害事例と被害チェックシート【屋根裏・屋外・畑】のケース別について詳しく解説します。
この記事を読むことでハクビシンによる具体的な被害を理解し、今後の被害対策にも役立たせることができるでしょう。
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ハクビシンによる被害事例【7つ】
ハクビシンが家に住み着いても、住んでいるだけならいいか…とつい許してしまいそうになる方もいるかもしれません。しかしハクビシンも動物なので普通に生活しているだけでも糞や尿により、屋根裏や天井などの家屋に被害をもたらします。
また野生動物であるハクビシンは多くの雑菌や寄生虫が体に存在し、住人やペットへの健康被害も懸念されます。ハクビシンが家に住み着いてしまった場合、具体的にはどのような害があるのでしょうか。
糞尿による悪臭・家屋への被害
ハクビシンは、ため糞といって巣の中の一つの場所に糞尿を集める習性があります。ハクビシンが家の屋根裏に住み着くことによる建物へのダメージの多くは、このため糞が原因です。
巣を作った後年単位で住み着いている場合の被害は特に深刻です。防寒・防暑のために家の壁や天井に施工されているスポンジ状の断熱材をちぎる、糞尿が天井裏に染み込み臭いを発生させるといった被害が多く報告されています。被害が拡大すると天井裏の糞尿により室内から見えるほどのシミが天井にできる、天井板が腐って穴が空くこともあります。
ノミ・ダニによる健康被害
野生動物であるハクビシンにはノミ・マダニが寄生しており、ハクビシンが家屋に侵入することは同時にそれらの寄生虫の持ち込みを意味します。
ノミやマダニは単に血を吸うだけでなく、それぞれが病原菌の運び屋でありアレルギーの原因にもなります。ほんの一例ですが、マダニ・ノミが原因の病気は以下のものがあります。
マダニ
日本紅斑熱
頭痛・倦怠感・高熱を伴う症状が出ます。重症化すると死亡する可能性がある病気です。
ライム病
関節炎・頭痛など風邪に似た症状を発症し、皮膚にポツポツと紅斑(こうはん)ができます。
参考:目黒区 | マダニにご用心
参考:国立感染症研究所 | 日本紅斑熱とは
ノミ
ノミ刺咬症
強いかゆみを伴う水ぶくれができる病気。患部をかいた手から二次感染する場合もあります。ダニやノミと聞くと血を吸われ、かゆくなるだけと甘く見てしまいがちですが、このように重篤な病を引き起こすこともあるため注意が必要です。中でも特に危険なヒゼンダニが原因となる疥癬(かいせん)症については後ほど紹介します。
農作物への食害
農家に対するハクビシンの被害は主に農作物に対する食害です。特に被害を受けているのが甘い果物の畑や、スイカ・イチゴなどの果菜。その次にマメやとうもろこしなどの穀類です。
ハクビシンは肉球が発達しており、手で物をつかむことができるため木登りや綱渡りが非常に達者です。柵を設置しても登ったり、電線を侵入ルートとして利用したりして上から入ってくることも可能です。そのためハクビシンの食害への対策には農家でも頭を痛めているのです。
家畜を襲撃する被害
甘いものが好きで果物類の被害が深刻なため、ハクビシンを果実食の動物と思っている方もいるかもしれません。しかしハクビシンは雑食性の動物であり、昆虫や小動物、鳥を襲って捕食します。中でもニワトリは大好きで、しばしば農家で育てているニワトリや、畜産業者の鶏舎が被害に遭っています。
疥癬(かいせん)症を移される恐れがある
疥癬(かいせん)症は、ハクビシンが宿主となっているヒゼンダニが人間に寄生した際に起こる皮膚の病気の一種です。感染したハクビシンが家屋に住み着き、その毛や角質の一部に触れた場合、人間にも感染する恐れがあります。
ヒゼンダニは寄生すると皮膚の中で繁殖します。ヒゼンダニの脱皮殻・排泄物はアレルギー反応を引き起こし、症状が進むと粉を吹いたように肌が荒れ、睡眠を妨げるほどの強いかゆみに悩まされることとなります。感染してしまった場合は皮膚科医の診察を受けた後、飲み薬と軟膏による駆虫を行います。しかし最初の診断でヒゼンダニが見つかる確率は60%とやや低く、複数回に渡り検査を受ける必要があるため、症状の強さもあり非常に厄介な感染症と言えます。
同居するペットへの被害
犬や猫など、哺乳類のペットを飼育している場合は、先ほど紹介した疥癬(かいせん)症に感染する危険があります。またハクビシンは小動物も捕食対象とするため、屋外で金魚を飼っていたり、小さな猫を外飼いにしたりしている方はエサとされてしまう恐れがあるため注意が必要です。ハクビシンが室内を通ることは稀なので、室内飼いにすることで対策が可能です。
噛まれると細菌感染の恐れがある
体に付着している寄生虫以外にも、ハクビシンに噛まれて傷口から感染症にかかる場合があります。野生動物であるハクビシンは様々な雑菌を保有しており、中には悪化すると命に関わる危険なものも存在します。
外でハクビシンに出くわす場合や、家のハクビシンを箱わなで捕獲するときもあるでしょう。その場合は素手で触らないようにするなど噛まれないようにし、噛まれた場合はすぐに傷口を流水で洗って消毒をおこないましょう。異常がある場合は迷わず医師の診断を受けることが大切です。
ここではハクビシンの噛まれた傷によって感染するものの中で、重篤化すると危険なものを二種紹介します。
黄色ブドウ球菌感染症
黄色ブドウ球菌は、通常人間の体にも存在する雑菌の一種であり過度に警戒する必要はありません。しかしハクビシンに噛まれることで傷口から侵入すると、腫れや膿みなどを引き起こし傷が悪化する可能性があります。また血液の中に入り込み増殖した場合は、内臓や骨髄など全身にわたり炎症を引き起こします。
破傷風
破傷風(はしょうふう)菌は、本来土の中に存在する雑菌ですが、ハクビシンの爪や口の中に付着している場合があるため警戒が必要です。感染すると3~21日ほどの潜伏期間を得て徐々に体の一部で痙攣や口が開きづらいなどの動作障害が起こり、症状が全身に回った場合は呼吸筋が麻痺して窒息死する恐れもあります。治療は医師の診断の後、主に投薬によって行われます。
ハクビシン被害は大丈夫?簡単チェックシート
ハクビシンには特徴的な習性がいくつかあり、行動から逆算するとある程度侵入を予測し、被害対策することが可能です。また既に侵入されている場合でも確認すべきポイントを知っておけば、被害が深刻化する前に発見することができます。
ハクビシン被害を早期発見で最小限にとどめる
先ほどご紹介したように、家に住み着いたハクビシンは放置してしまうと家屋や健康に大変な被害をもたらします。そうならないためにも早めに被害に気付き、対策をとることが肝心です。ハクビシンの生活区域である家屋の侵入経路、エサ場、ねぐらに対してそれぞれチェックポイントをご紹介します。
ハクビシンチェックシート【屋根裏・屋外・畑】
- ドタドタ、バタバタなど動物の走るような音が聞こえませんか
- 天井に液体が沁みたような汚れはありませんか
- 家の中に原因の分からない臭いはありませんか
- 部分的に天井が傷んでいたり、腐っていたりする場所はありませんか
- ここ数年で部屋の断熱性が急に落ちていませんか
- ペットに急にノミ・ダニが付いたことはありませんか
- 屋根や雨どいなど、敷地内に動物の足跡がついていませんか
- 屋根から1mほどの距離に電線や樹木などはありませんか
- 床下に侵入できるスペースはありませんか
- 軒下に6cm×10cm以上の隙間はありませんか
- 家庭菜園の作物が動物に食べられた形跡はありませんか
- 近所にニワトリが被害にあった家はありませんか
- 廃棄作物を放置している畑はありませんか
- 地域のごみは時間と場所を守って出されていますか
- 近所に管理されていないビワや柿の木はありませんか
これらのチェック項目の中で2つ以上該当する場合、ハクビシンによる被害の可能性が高いです。ご近所でハクビシンを見かけた、ハクビシン駆除を行った直後の場合は特に注意深くチェックしてください。
ハクビシンによる農作物被害額と狙われやすい農家の特徴
ここまでハクビシンの家屋での被害をご紹介してきました。ハクビシンは家屋をねぐらとして利用するのに対して、エサ場としてメインに狙うのは農家が管理している畑や果樹園です。ハクビシンの標的にされやすい農家にはどんな特徴があるのでしょうか。
ハクビシンによる日本の農作物被害額
農林水産省の資料「生産局農産振興課資料 」によると平成18年度時点でハクビシンによる農作物の被害額は2億3千万円ほど。これは平成13年度と比較すると約2.5倍の規模であり、そのうち6割程度が果樹の被害です。甘い果物が大好きなハクビシンですが、被害は果樹だけでなくサツマイモ・ジャガイモなどのイモ類やとうもろこし、マメ類など多岐に渡ります。
ハクビシンに狙われやすい農家の特徴
ハクビシンの標的にされる畑には共通点があります。それは、畑の食害に関して無頓着・寛容であること、もしくは畑の管理が甘いこと。すなわちハクビシン予防のための対策を充分にとっていないということです。どういったところがハクビシン被害を招いてしまっているのでしょうか。
廃棄作物を放置している
ハクビシンは木に登る、畑に侵入するなどして農作物をあさるのはもちろんのこと、病害虫や規格外で商品にならない廃棄作物があればそれも食べてしまいます。
廃棄作物は畑の一部に集めて放棄されていたり、穴を掘って埋めていたりして処分している農家も多いですが、そういった廃棄作物はハクビシンにとってはごちそうです。面倒であってもごみはきちんと管理し、業者に引き取ってもらう、焼却処分をおこなうなどの対策が必要となります。
規模の小さな被害に対策を行わない
被害にあったのが廃棄作物や畑の作物のごく一部の場合、そのくらいならいいか、と対策を取らずに放置してしまいがちです。しかしこれをやってしまうとハクビシンにとって安全で便利なエサ場として認知されてしまいます。ハクビシンのねぐらはエサ場の近くの建物が選ばれるため、ハクビシンにエサを与えることはその地域一帯にハクビシンが住み着くことを意味するのです。
シーズンオフの畑の手入れをしていない
ハクビシンは果物や鳥ほど好きではありませんが、バッタなどの昆虫類も食べます。シーズンオフで収穫後の野菜の葉や茎が枯れている畑がちらほら見られますが、そういった土地は昆虫の住処となるため、特に食べ物の少ない冬場はハクビシンを寄せる原因となります。
鳥用の対策しかしていない
果物農家はカラスによる食害に鳥よけのネットやワイヤーで対策を施しています。しかし鳥よけの設備ではカラスを防げてもハクビシンを防ぐことはできません。カラス対策を行っているにも関わらず果物が被害に遭うようであれば、犯人はハクビシンかもしれません。
もしも被害にあった果物が、枝についたまま下だけかじられていた場合は、枝にぶら下がったハクビシンがかじった可能性が高いです。その場合は電気柵の設置など地上の動物用の対策が必要となります。
まとめ
以上、ハクビシンの被害事例と被害チェックシート【屋根裏・屋外・畑】のケース別、ハクビシンによる農作物被害額と狙われやすい農家の特徴についてご紹介しました。
最後に要点を整理すると以下の通りです。
- ハクビシンの被害例は「糞尿による悪臭・家屋への被害、ノミ・ダニによる健康被害、農作物への食害、家畜を襲撃する被害、疥癬(かいせん)症の恐れ、同居するペットへの被害、細菌感染の恐れ」がある
- ハクビシンの被害チェックは「屋根裏・屋外・畑」のケース別で確認できる。ご近所でハクビシンを見かけた、ハクビシン駆除を行った直後の場合は特に注意深くチェックが必要。
- ハクビシンによる日本の農作物被害額は平成18年度時点で2億円超え、平成13年度と比較すると約2.5倍の規模に拡大している。
- ハクビシンの標的にされる畑には共通点があり、ハクビシン予防のための対策を充分にとることが重要。
ハクビシンが家に住み着いても、住んでいるだけならいいか…とつい許してしまいそうになる方もいるかもしれませんが、そのまま放置していると被害が拡大して二次被害や三次被害を受ける恐れがあります。
被害対策が遅れると建物の修繕費や農作物の損失額、通院の医療費など経済面の負担がさらに増えてしまうので、ハクビシンの被害チェックシートで2項目以上該当する方は、早めにハクビシン駆除業者に相談し、被害が拡大する前に適切な対策を行ってもらうと良いでしょう。